骨折・脱臼

骨折は骨が折れたりヒビが入っている状態を指し、負傷状態や原因によって種類がわけられます。
骨折の症状や原因についてみていきましょう。

●骨折とは

・完全骨折

骨が完全に折れ、断裂している状態です。
一度に強い衝撃が加わり、骨が断裂してしまいます。

・不完全骨折

完全に骨が折れてないものの、部分的にヒビが入っている状態です。
少しずつ外力が加わりつづけて生じる「亀裂骨折」や、成長期の柔らかい骨に亀裂が入って曲がってしまう「若木骨折」などの種類があります。

●症状

受傷直後に激しい痛みがあり、患部を動かせなくなることが多いです。
また、患部を動かすことで異常可動性がみられることや、ズレが生じる転位、ゴツゴツと骨がぶつかる軋轢音（あつれきおん）が生じることがあります。

●原因

・外傷性骨折

スポーツ中の衝突や日常生活での転倒、転落、交通事故などで発生します。
骨に大きな力が加わることが原因です。

・疲労骨折

同じ部位に繰り返り負荷が加わることで、徐々に骨にヒビが入ってしまう骨折です。
過度のトレーニングや誤ったフォームが原因で生じます。

・病的骨折

病気が原因で骨の強度が低下し、骨折してしまいます。
骨腫瘍や骨粗しょう症、転位がんなどが原因で生じます。

脱臼は関節がズレてしまっている状態を指し、負傷状態や原因によって種類がわけられます。
脱臼の症状や原因についてみていきましょう。

●脱臼とは

脱臼は、「完全脱臼」と「不完全脱臼」の2種類にわけられます。
関節が完全に外れ、骨の関節面の正常な位置関係が失われている状態が「完全脱臼」です。
一方で、関節が部分的にズレていることを「不完全脱臼」と呼びます。

●症状

受傷時に関節へ強い痛みを覚えます。
完全脱臼の場合は患部を動かすことがむずかしくなりますが、不完全脱臼では動かせるようなケースもあります。
また、腫れや皮下出血が生じることもあります。

●原因

・外傷性脱臼

スポーツや交通事故など外傷が原因で生じる脱臼です。
強い力が関節にかかることで発生します。

アメフトやラグビー、柔道などコンタクトスポーツに多いケガです。

・病的脱臼

病気が原因で関節に異常が生じて起こる脱臼です。
関節性リウマチや関節の急性もしくは慢性の炎症などが原因として挙げられます。

骨折・脱臼の場合、当院では次のような施術を行います。

●固定療法

骨折・脱臼の場合、受傷直後に動かせば損傷が悪化する可能性があります。
骨や関節が不安定になっていることもあり、患部の固定を行います。
固定療法では包帯や装具など受傷箇所や受傷状況に応じて対応します。
早急に固定を行えば、早期回復や症状緩和が期待できます。

●運動療法

症状が改善されてきた時期からは、運動療法を取り入れていきます。
固定していたことで筋肉や関節が拘縮しているため、運動で組織の柔軟性を高めます。
無理な運動は悪化を招く場合があるため、患部に負荷がかからないような運動療法でサポートします。

●ゼロ整体

患部の早期回復、再発予防を目的としたゼロ整体も症状が改善されてきたタイミングから行っていきます。
ゼロ整体は、身体にかかる負荷をゼロにするための整体です。
患部に負荷がかかりすぎないように身体を整えていきます。

骨折・脱臼は、回復までに時間を要します。
施術を途中でやめてしまえば、ケガの悪化や再発を招く場合があります。
しっかり改善するまで通院を継続することが大切です。

●症状施術

骨折、脱臼の受傷直後～関節や骨が安定するまでは、固定療法で患部を固定します。
固定をして関節や骨の固定を行い、ケガの悪化予防と早期回復を目指します。
また、固定することで患部を保護します。

●リハビリ

ケガが改善してきたら、運動療法やゼロ整体で早期回復・再発予防を目指します。
運動により、拘縮している筋肉や関節の柔軟性を高めます。
運動療法は患部に負担をかけないように行っていくため、当院でサポートを受けてください。
当院ではゼロ整体で患部にかかる負担をなくし、ケガの再発の予防も目指していきます。

骨折・脱臼になってしまった場合、受傷直後から適切に対処することが大切です。
早期の適切な対処が早期回復につながります。

●冷やす

受傷直後は患部周辺の組織が炎症を起こします。
冷やすことで炎症が抑制され、拡大予防や痛みの軽減につながります。
冷やしすぎると血行不良が起こるため、冷やす時間は10～15分ほどにしてください。
また、直接保冷剤などで冷やすのではなく、タオルなどを巻いて冷やすようにしましょう。

●固定する

受傷直後に患部を動かせば、損傷が悪化する場合があります。
とくに骨折・脱臼では骨や関節が不安定になっているため、動かさないようにすることが大切です。
受傷箇所を包帯や添え木などを利用して固定しましょう。

骨折・脱臼は日頃の心がけで予防することもできます。
ケガが起こらないようにできる予防には、次のようなことが挙げられます。

●体幹を鍛える

体幹は身体の中心部分を指し、体幹を鍛えることで身体のバランスが正しく維持されるようになります。
そうすると、バランスを崩して転倒してしまうといったケガの原因になる事故の予防につながります。
体幹を鍛える方法には、次のようなトレーニングがあります。

・ドローイン

仰向けに寝て両膝を立てます。
背中を少し反らしてお腹あたりに両手を添え、鼻から息をゆっくり吸います。
お腹の筋肉を収縮させることを意識して口から息をゆっくり吐ききり、息を鼻から再び吸って口から吐きます。
これを5回×3セット行います。

・プランク

四つん這いの姿勢で床に両肘をつき、両方の膝を伸ばした状態でつま先を立てる姿勢を30秒～1分間維持するトレーニングです。
姿勢が一直線になるように意識します。

●身体を休ませる

過酷なトレーニングや練習のしすぎは身体に大きな負担となり、疲労を蓄積させてケガを引き起こします。
身体を休ませることも大切です。
身体を休ませれば筋肉の疲労が回復し、ケガの予防につながります。