ストレートネック

首の構造やストレートネックの状態について知ることから始めましょう。

●首の構造

首は複数の骨が積み重なり、カーブを描くような形になっています。
このカーブは首から背中につながっており、重い頭を支える負荷を分散する役割があります。
カーブによって細い首で頭を支えながら、実は背骨で頭の重さを受け止めています。

●ストレートネックとは

首のカーブが失われてしまい、骨が真っすぐになっている状態です。
カーブが失われれば頭を支える重さが分散されず、首の筋肉には過剰な負荷がかかります。
そうすると、首の筋肉は疲労によって硬くなり、全身にさまざまな不調を招いてしまいます。

●ストレートネックを放置するリスク

ストレートネックを放置すれば、ストレートネックによって生じる不調症状が悪化するだけではありません。
首が徐々に前に倒れていってしまい、ヘルニアなどの病気を引き起こす場合があります。
ストレートネックは自力で改善することがむずかしく、放置するほど改善までに時間を要するようになります。

ストレートネックの原因と症状は、次のとおりです。

●原因

・不良姿勢

日頃から姿勢が悪いと、バランスよく重い頭を支えることができません。
過剰に首へ負荷がかかり、疲労で硬くなった筋肉が骨を圧迫してストレートネックに変形してしまいます。

・高い枕の使用

高い枕を使用していると、寝るときに首が真っすぐになってしまいます。
その姿勢が長くつづくため、首の骨が真っすぐに形成されてしまいます。

・先天性な要因

生まれつきストレートネックの場合もごく稀にあります。

●症状

・首や肩の痛み

ストレートネックになると重い頭を首や肩の筋肉で支えることになります。
そうすると、首や肩の筋肉が疲労して硬くなり、痛みやこりなどの症状が現れるようになります。

・手のしびれ

首には手や腕につながる神経が存在します。
ストレートネックによって首の筋緊張や変形が起こり神経が圧迫されれば、手にしびれが現れます。

・自律神経失調症

首には自律神経が通っており、ストレートネックになると自律神経も影響を受けます。
自律神経は身体のさまざまな機能をコントロールする役割があるため、自律神経に乱れが生じると倦怠感や頭痛、めまい、動悸、発汗、抑うつなどさまざまな不調が現れます。

・ヘルニアの発症

ストレートネックによる首の骨の変形は、骨と骨の間のクッションの役割をする椎間板に大きな負担がかかります。
その負荷によって椎間板に亀裂が入ると、ヘルニアを発症します。
ヘルニアでは首の痛みや腕や手のしびれ、手に力が入りにくいなどの症状が現れます。

ストレートネックによって生じる不調と類似する不調が生じる病気には、次のようなものが挙げられます。

●むちうち

交通事故やコンタクトスポーツで起りやすいケガです。
首まわりの筋肉や靭帯などの組織が負傷している状態を指します。
むちうちでは首の痛みや手のしびれ、頭痛、めまいなどの症状が現れます。

●頚椎椎間板ヘルニア

ストレートネックを放置することで発症するリスクが高まる病気です。
骨と骨の間にある椎間板という組織に亀裂が入り、髄核というゼリー状の組織が飛び出てきて神経を圧迫します。
その圧迫によって、腕や手の痛みやしびれ、首の痛みなどの症状が現れます。

当院では、ストレートネックに対して次のような施術を行います。

●ゼロ整体

ゼロ整体は、筋肉や骨格のアンバランスによって生じる身体への負荷をゼロにすることを目指す整体です。
ストレートネックでは、首や肩まわりに過剰な負担がかかっています。
肩甲骨と骨盤、首の位置の調整を行うことで首や肩にかかる負担を軽減していきます。
ゼロ整体は、施術者の手技によって行われる施術です。

●トムソンベッド

トムソンベッドは、身体のゆがみを整えるための専用ベッドです。
患者様の体重を利用し、無理なく身体を整えることができます。
トムソンベッドで背骨や骨盤を整えることで、首のゆがみを調整します。

●EMS

EMSは電気刺激で筋肉を運動させ、筋力を高めることができる機器です。
姿勢は筋肉で支えているため、筋力の低下は不良姿勢を招きます。
ストレートネックの再発予防のためにも、姿勢保持に必要な筋力をEMSによって高めます。

ストレートネックの施術期間の目安は、3～6カ月です。
どういった状態をゴールとするのかなど、患者様のご希望によって施術期間に個人差が出ます。
ストレートネックの施術過程は、基本的に次のように進みます。

●初回

初回の来院では、まずカウンセリングシートにご記入いただきます。
ご記入いただいたシートをもとにカウンセリングを行い、症状や悩みを詳しくお伺いします。
そして、ストレートネックや全身の身体の状態を確認したうえで、患者様にあった施術を提案します。

基本的にゼロ整体やトムソンベッドを使用した施術を行います。

●通院

ストレートネックになっていると、首や肩の筋肉が硬くなることで可動域が狭まります。
まずは筋肉をほぐして可動域の改善などを行っていきます。
そして、ストレートネックの根本の原因である全身のゆがみを整えていきます。

施術にかかる期間は3～6カ月ほどです。

ストレートネックの症状がつらい場合や、ストレートネックの症状を悪化させないためには、次のようなセルフケアを行ってください。

●身体を温める

身体を温めれば血流が促進され、筋肉の緊張が緩みます。
ストレートネックでは首や肩まわりの筋肉が硬くなっているため、身体を温めて筋肉をほぐしましょう。
そうすれば、筋緊張によって生じている不調の緩和が期待できます。

●ストレッチをする

ストレッチをすれば、ストレートネックによって硬くなっている筋肉をほぐすことができます。
筋緊張をほぐすことは症状の緩和だけではなく、ストレートネックをこれ以上悪化させないためにも大切です。
首の前弯をつくるためのストレッチとして、タオルを使用したストレッチがおすすめです。

・タオルを使用した首のストレッチ法

タオル丸め、首の後ろに置きます。
30秒〜1分を3セット行い、首の筋緊張を緩和させて前弯をつくることを心がけましょう。

ストレートネックのセルフチェック法や、再発予防のためのセルフケアをご紹介します。

●チェック法

壁に背中をつけるようにして立ちます。
そして、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとを壁につけるように背筋を伸ばしてください。
このときに後頭部が壁につかない場合や、後頭部を倒さなければ壁につかない場合は、ストレートネックの可能性が高いです。

●予防法

・正しい姿勢を意識する

姿勢が悪いとストレートネックが再発しやすくなります。
とくにデスクワークやスマホ使用時は頭が前に倒れ、ストレートネックを起こしやすい姿勢になることが多いです。
日頃から姿勢を正すことを意識してください。

・モニターの高さを調整する

パソコン作業時に姿勢が悪くなる原因は、モニターの高さが合っていないことが予想されます。
椅子や机の高さを調整し、モニターをみる時に視線が下がらないようにしましょう。
そうすれば、正しい姿勢を維持しやすくなります。

・枕の調整

枕は寝返りしやすいものを選べば、睡眠中に首の筋緊張が起こらないように予防できます。
敷布団との関係によって適切な枕の高さは異なりますが、頭の位置が高すぎるものよりも、低めのものをおすすめします。

・肩甲骨のストレッチをする

肩甲骨は日常的に動かすことが少なく、過緊張が起こりやすいです。
肩甲骨の過緊張から首の筋緊張が生じてストレートネックになることもあるため、肩甲骨は日頃からストレッチするように心がけましょう。

・肩甲骨のストレッチ法

両肘を曲げ、肩くらいの高さに挙げます。
肩甲骨を背中の真ん中へ寄せるようにゆっくりと肘を後ろに引きます。
そして、肩甲骨を寄せたまま肘を下げて腕を下ろします。
3回を1セットにして1日2回行ってみてください。